スタジオジブリ制作の観光動画『風になって、遊ぼう。』公開2週間で約30万回再生に到達

最終更新日:2022-02-14 18:48:12

スタジオジブリ制作の観光動画『風になって、遊ぼう。』公開2週間で約30万回再生に到達

愛知県の魅力をスタジオジブリの世界観に沿って描いた観光動画『風になって、 遊ぼう。 』の再生回数が、 公開から2週間でおよそ30万回に到達!
「風になって、 遊ぼう。 」特設サイト

この作品は、 スタジオジブリが初めて手掛けた観光動画。 愛知県内の観光スポットを単に紙芝居的に見せるのではなく、 主人公の少女が「風になって」県内各地を駆け巡るストーリー仕立ての構成になっています。
ジブリ作品に通底する、 風や飛翔、 走る喜びや、 歴史を感じるノスタルジーを巧みに織り込んだ構成に加え、 映像や音楽とのシナジーも相まって、 公開直後から、 YouTube上では好意的な反応が続出。 2月10日(木)午後2時現在、 6千件を超える高評価と300件以上のコメントが寄せられています。

制作に携わったクリエイター陣の思い

<スタジオジブリのキャラクターを登場させることなく「実写」で作品を作る>

本作品は、 全編を通して愛知県内で撮影を行った実写作品。 これについて、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、「(ジブリが)アニメーションでないものを手掛けるのは、 非常に珍しい」と語っています。

実写映像で、 ジブリの作品世界がしっかり表現される作品を――。
この難題を託されたのが、 中川龍太郎監督。 かねてから中川監督の才能を評価していた鈴木プロデューサーが抜擢しました。 鈴木プロデューサーはその理由を「性格が宮崎駿にそっくり。 その感性、 やることなすこと、 非常にそっくり(だから)」と説明しています。
中川監督は、 この難題を「スタジオジブリの素晴らしい作品たちが表現してきた、 疾走感や冒険への憧れを表現する『挑戦』」(本人コメント)と受け止め、 制作をスタート。 ジブリの作品世界に通じるロケ地を探すため、 この種のショートムービーでは異例となる、 通算10日以上に及ぶロケハンを愛知県内で実施しました。さらに、 ジブリ作品では、 「走る喜び」「疾走感」も重要な要素。中川監督は、出演者の「走り方」にもこだわり、 オーディション参加者に実際に走ってもらう選考を重ねて、 ぴったりの逸材を見つけだしました。YouTube上のコメントを見ると、 これらのこだわりが作品を観た方々にしっかりと伝わっていることがわかります。

<重要なキーワードとなっている「風」をどう表現するか>

本作品は「風や飛翔、 走る喜びや 歴史を感じるノスタルジー」がキーワードとなっていますが、 中でも「風」は作品タイトルにも含まれる最重要ワードです。「風」を如何に表現するか、 本作品へのクリエイター陣の思いは この命題に向かってボルテージを高めていきますが、中川監督のもと、 映像と音楽が見事にそれを描き切りました。
本作品では「風」や「疾走感」を表現するため、 ドローンによる映像を多用することになり、そこで白羽の矢が立ったのが Ussiy氏。 YouTubeを中心に活躍する新進気鋭の映像クリエイターで 映画界との仕事は皆無でしたが、 新世代の才能はその垣根を越えて、まるでアニメーション映画を観ているような映像を生み出しました。
Ussiy氏本人は、 本作品のメイキング映像の中で、 映画界で活躍してきたクリエイターたちと仕事をすることについて「ちょっとの不安と、 話についていけない場面もあった」と正直に吐露していますが、 見事に、 期待に応える撮影と編集を成し遂げたのです。その撮影の真髄は、 「自分自身がジブリ作品の『風』や『疾走感』を感じさせる『何か』になったつもりで、 撮影や空撮を行った」という本人のコメントに凝縮されます。 この「なりきり」感が作品を観た方々に伝わったことが、 YouTube上のコメントからも読み取れます。
さらに、音楽の効果も絶大。 本作品の音楽は、 映画『モテキ』やNetflix『全裸監督』シリーズなどで注目すべき実績を積み上げてきた作曲家・岩崎太整氏が担当。 岩崎氏は、本作品に携わるにあたり、「中心にあるのは『ジブリの風』。 皆に共通していたのがこのイメージでした」(本人コメント)と狙いを定め「風」を意識した曲作りに取り掛かります。 しかし、 実際に作業を始めてみると「『彫刻はあらかじめ石の中にその形を内包している』という言葉がありますが、 (本作品の)作曲を進めるうちに、 自然とその様な不思議な感覚に満たされました。 風に導かれるままに作った、 といえば、 本当にそうなのかもしれません」(同)という結果に。 まさに、 映像と音楽が一体となった瞬間を私たちに見せてくれました。
このことについては、前述のメイキング映像の中でUssiy氏が興味深いコメントをしています。 すなわち、本作品は、通常のSNS向け動画と異なり、 音楽先行ではなく、 映像先行で編集が行われたということ。 岩崎氏は、 Ussiy氏による「自分自身がジブリ作品の『風』や『疾走感』を感じさせる『何か』になったつもり」の映像に合わせる形で、 曲作りを進め、 演奏を率いました。 このことが、 岩崎氏の感性や技量と化学反応を起こし、 「風に導かれるままに作った」という境地に達せしめたと言えそうです。 YouTube上では、 音楽と演奏への賛辞も見て取れます。

<ロケ地である愛知県の風土と愛知県民への思い>

クリエイター陣は「愛知県を観光通過地点から観光目的地にする」ことを意図していました。たしかに、愛知県は「ものづくり県=工業県」としてのイメージが強く工業と観光は相容れないという潜在意識が影響して、観光旅行の行き先として選ばれることは少ないかもしれません。
 しかし、いまや観光の潮流は、現地の景色や味覚に触れるだけではなく、その暮らしや文化 人との交わりを「体感」するというスタイルに。陶器・陶磁器から繊維、自動車、 航空機・ロケットまで 製造品出荷額等が40年以上に渡り日本一を続ける愛知県のものづくりも 太古以来の陶土、戦国時代と名古屋城築城を経た木材加工とからくり技術の集積、そして偉大な発明家・起業家の誕生といった、 地理的・歴史的・人文的な絡み合いがもたらした偉大なる文化です。 そして、その文化を育んできた、海も山も離島もある豊かな自然――。愛知県は、 ジブリ作品に登場するような自然の宝庫であることを、本作品は気づかせてくれます。
 こうして作り上げた作品に対し、 中川監督は「この作品を通して多くの方に愛知県やジブリパークに来ていただきたい」(本人コメント)と話し、 映像ディレクターのUssiy氏も「この作品を見て1人でも多くの人が、 愛知県を訪れるキッカケになれば嬉しいです」(同)とコメント。 この2人の思いは、 YouTube上のコメントを見ると、 しっかり伝わっていることがわかります。
 ただ、 さらに2つ、 重要なことがあります。 それは、 この作品によって、 愛知県民による愛知県の魅力への気づきと、 日本の原風景の素晴らしさへの称賛が呼び起されたことです。
愛知県の調査では、 県民が友人や同僚に対し、 愛知県への観光を薦める可能性は低い傾向が続いています。 県民自らがお薦めしない県に観光客を呼び込むのは難しいもの。しかし、 本作品のロケハンや撮影で、2週間以上に渡って愛知県内各地を駆け巡った中川監督は、愛知県民に対し、こうメッセージを送っています。 「この作品を通じて、 実際に愛知にお住まいの方々にふるさとの素晴らしさを再発見してもらえましたら、 こんなに嬉しいことはありません」。
愛知県の素晴らしい自然景観とひとびとの暮らしの情景も描かれていますが、このことについて、 音楽の岩崎氏はこう言います。「日々の生活の中で、つい見落としてしまう情景。かつては毎日の様に気づいたものでも、時が経つと中々気づけない事も多いです。作中には愛知県の素晴らしい景色が登場します。けれど、この景色は誰もが皆持っているものなのだとも思います。この作品を観ることによって、少しその事を思い出してくれたら嬉しいです」。
 本作品は、 愛知県民に対し、 自らが暮らす県の魅力を改めて見つめ直すきっかけを作ってくれたともいえそうです。 同時に、この作品のもう一つの重要なキーワードである、「ノスタルジー」を強く印象づけることにもなりました。


ジブリパークは11月1日開園予定です!
(C) 2022 Studio Ghibli

情報提供元:ジョルダン

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